2013年8月アーカイブ

第二回 「肌をキレイにする 1」


肌がキレイな人...とてもいい印象です。


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肌がキレイとは、きめ細かく、きれいな肌色で(黄色人種の日本人の場合、白すぎる必要はありません)、もっちり、しっとり潤っている、赤ちゃんのような理想のお肌です。


日々、皮膚科医として肌のトラブルのある患者様を診療しているとき、すべての方への治療の最終目標が「キレイな肌」です。そして、「いい風を感じるキレイな肌になろう!」そのために、今回は -洗う- ことをテーマにお話をしたいと思います。


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実はこのブログを書いている今、夏休みでアメリカのテキサス州に来ています。
広大な牧場の中に、風車がところどころに見え、心地よい風が吹いています。もちろん暑いのですが、とてもさわやかです!


* * *


ここで、皆様に一つ質問をしましょう。


「お肌がキレイになるために、正しい洗い方はどれでしょう?一つ挙げてください」


(1) セッケンでしっかりと汚れを落とす


(2) セッケンをホイップクリームのようによく泡立てて、泡で洗う


(3) 洗った後にすすぎを何回も行って、セッケンが残らないようにする


(4) 軽く泡立てたセッケンでやさしく洗う




答えは、(4)
当院では、肌トラブルがなかなか治らない方に、スキンケア教室を行っています。今まで100名以上の方に受けていただきました。トラブルが治らない理由で最も多いものは、なんと「洗いすぎ!すすぎすぎ!こすりすぎ!」でした。


とても多い、まちがい洗い!
「とにかく汚れをきれいに落とさなくてはダメですよね」
「セッケンが残っていると悪いので、何十回もすすぎをしています」
「しっかり泡立てて洗顔をしています」


よく聞く言葉だと思いますが、実は、どれもまちがいなのです。きっと、えっ!と思われる方が多いと思います。


以下は、顔の肌トラブル(ニキビ、かゆみ、赤みなど)を持っている人の、洗顔方法をチェックした結果です。


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何と、8割近くの方が、強かったりこすりすぎたりしていました。また、すすぎ回数は、平均19.39回すすいでいることが判明しました。中には、60回もすすいでいる人がいました。


また、洗顔時の泡立ての仕方は、充分に泡立てている人の方が多くいましたが、不十分の人も結構いました。


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泡立て方法は、実は、泡立てすぎても少なすぎてもダメなのです。
では、いったいどうしたらいいのでしょうか?お肌をキレイにする洗い方を、伝授いたします。




【正しい洗い方】 かるくクリーミーに泡立てる


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まず、手を水で濡らした後に、セッケンをクリーミーに泡立てます。
ちょうど上の写真くらい、生クリームをかるーく泡立てた程度で、大丈夫です。


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次に、セッケンの泡で、手全体を包み込むようにやさしく3-4回撫でるように洗います。
この時に、ゴシゴシ強くこすっては絶対ダメです。


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セッケンの泡を、手にすくった水をさっとかけるようにして、泡を洗い流します。


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4,5回かけて、泡がなくなって時点で終了です。
泡は、キレイに落ちています。


蛍光塗料クリームを塗って、汚れが落ちたか確認しました。
きちんと汚れが落ちていることが確認できました。


それでは、たっぷり泡立ててみた場合は・・・




【間違った洗い方】 たっぷり泡立てる


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固い生クリームのようにたっぷり泡立てみましょう。
しっかり泡立てた方がいいと勘違いをして、スキンケア教室でもこのくらい泡立てている人がたくさんいます。


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先程と同じように、セッケンの泡で、手全体を包み込むようにやさしく3-4回撫でるように洗います。


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セッケンの泡を、手にすくった水をさっとかけるようにして、4-5回泡を洗い流します。


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たくさん泡立てた場合は、何と手のひらに泡が残ってしまいました。   


実は、すすいだつもりでいても、泡が周囲に散らばってしまい、泡が残ってしまいます。特にお顔の場合は、髪の生え際やあごから首に泡が残ってしまい、気づかないうちに肌トラブルの原因になります。また、泡を全部落とそうとすると、何度もすすぎが必要になり、肌がますます荒れてしまいます。


また、蛍光塗料クリームを塗って、汚れが落ちているか実験しました。たっぷり泡立てた時は、逆に汚れ落ちが悪く蛍光塗料が残ってしまいました。
(実験データは、第111回日本皮膚科学会にて発表したものを抜粋)


洗う時のポイントは、「さっとクリーミーに泡立てて、さっとやさしく洗って、さっとやさしくすすぐ」ことです。




【お顔を洗うときは・・・】


(1) 手を濡らした後に、手のひら全体でセッケンをクリーミーに泡立てます。


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(2) 手のひらをゆっくり動かすようにして、顔全体に泡をなじませます。ゆっくり数えて、5-6秒で十分です。


(3) 手についた泡を流水で洗い流した後、両手のひらに水をくみます。


(4) 両手の水を、顔全体にやさしくかけます。


(5) (3)(4)をくり返して、泡がなくなったら終了です。




【体を洗うときは・・・】


(1) 手を濡らした後に、手のひら全体でセッケンをクリーミーに泡立てます。


(2) 手のひらをゆっくり動かすようにして、体全体に泡をなじませます。タオルを使用するときは、ガーゼのような柔らかいタオルを使用してください。


(3) すすぐときは、かけ湯がお勧めです。手桶にお湯をくんでやさしく体に数回かけて流せばOK。シャワーの場合は、シャワーヘッドを動かしながら体全体を流し、泡が消えた時点で終了にします。同じ場所に強くあてすぎないようにすることが、肌荒れ予防のコツ。1か所3秒を目安としてください。


泡立てすぎて、時間をかけて洗って、何度もすすぐことで、どれほどお肌を痛めつけていることか・・・やりすぎは、まさに時間と資源の無駄遣いになってしまいます。そして、肌荒れのもとになってしまいます。
ふんわりしたキレイな肌をキープするために、ぜひぜひ正しい洗い方を試してみてください。セッケンはお持ちのもので結構です。洗い方を変えるだけで、きっと、人生が変わるくらい肌が変わってきますので。


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この青空のように、さわやかな風を感じられるお肌になりますように・・・(続く)


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第一回「風を感じる」


「さわやかな草原」でイメージするもの...青い空にポッカリ白い雲が浮かび、明るい緑色の草木が風にたなびいている。そして、そこのど真ん中に立った時に感じるものは、きっと、どことなく甘い香りと心地よい風。
人間の五感すべてがリラックスできる瞬間です。ここでのキーワードは「風」。


風とは、目で動きを感じる、耳で音を感じる、そして肌で直接感じることができるもの。肌で感じる風の風速は1.6mから。0.3m以上1.6m未満は風力階級「1」で、肌には感じないけれど煙がたなびくくらいの風の強さです。風力階級「2」は1.6m以上3.4m未満で、顔に風を感じて、木の葉も揺れ始める強さで、心地よいそよ風とも言えます。風力階級「3」は3.4m以上5.5m未満で、木の葉や小枝が絶えず動く強さで、蒸し暑い時にはさわやかに感じる風です。風力発電機が動き始めるのも風速3mから。人にとっても環境にとってもやさしい風はここまでです。風速10mを超えると傘がさしにくくなり、風速20mを超えると甚大な被害を引き起こしてしまいます。


私はそんな風に魅せられ、「風探偵団」を結成しました。きっかけは、17,8年ほど前に放映されたTwisterという映画です。内容は、竜巻の研究家が、竜巻を追いかけながら、竜巻の中で生じている風の流れを解析していくというもの。偶然にも映画を見た数日前に千葉県で竜巻がおきた、というニュースがありました。映画を観終わってそのまま車で千葉へ直行。途中で地図を購入し、地番をみながら向かったのですが、山や畑で地番も道表示もほとんどなく、木の倒れた跡や倉庫の屋根が吹き飛ばされた跡などが、どこにどう点在しているのかよくわからないままに帰宅。
翌週、その頃出始めたばかりのカーナビゲーション「コロンブス」を取り付け、竜巻の通ったと思われる場所にマーカーを付けながら車を走らせました。そしてやっと、竜巻の軌跡を突き止めたのです。


以後、風を感じる場所、風車や風力発電のある場所を見に行き、カメラに収めるようになりました。最も気に入っている場所は、カリフォルニア州のパームスプリングスです。ちょうどいい風の通り道になる広大な谷間があり、風力発電機が無数に並んでいて、その姿はまるでお花畑のような「風の畑」ともいえます。


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日本国内でもクリーンエネルギーとして風力発電は増えてきていますが、まだ国内のエネルギー供給の1%もありません。風力発電で発電した電力が、自由に使える電線を通して、自由に家庭やオフィスで使えるようになってほしいですね。


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さて、風は肌で感じます。いい風を感じる肌になろう...そのような思いで日々、皮膚科医としての診療を行っています。医院は、風をイメージしたビル「チャリオタワー」の1〜4階を利用して診療を行っています。チャリオとは、インド洋に雨季の前に吹く南風のことで、恵みをもたらす風ともいわれています。


ここで、チャリオタワーのご案内を一言。


1階エントランスは「風の散歩道」で、駐車場を完備しています。


2階は診療部門「医療法人そよ風会」野村皮膚科医院で、待合室には診療に関する情報の流れるモニター、患者様に読んでほしい皮膚病の簡単なパンフレットや雑誌なども展示しています。「一人一人の患者を大切にし、最高の医療を提供する」という医療理念のもとに、あらゆる皮膚疾患について丁寧に説明をし、治療からスキンケアにいたるまできめ細かな指導を行っています。


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3階には、お肌のためのいくつかのお部屋が備えられており、アレルギー対応モデルルーム「風の玉手箱」では、アトピー性皮膚炎を中心に、アレルギー対応グッズなどを紹介し生活指導を行っています。


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「グリーンブリーズ」はスキンケア製品の展示・販売コーナーで、肌にトラブルに悩まれている方でもご使用いただけるものを紹介しています。


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「風の広場」は広い吹き抜けの空間で、待合室としてご利用いただいています。


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4階は「風のアカデミー」。セミナーも行える空間です。アレルギー対応の食材を扱った「皮膚科のカフェ」とナチュラル・エコ・アートをコンセプトとしたギャラリーも併設しています。




チャリオタワーは、アーネスト様のご尽力で、「風」を感じる素晴らしい空間として完成しました。今後もこの場で多くの方々に恵みをもたらしますよう、頑張っていきたいと思います。(続く)


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