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TOTO株式会社 コミュニケーション推進部 佐藤 仁美さんvol.1 海のこと、水のこと、エコロジーのこと

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2010年8月19日

季節が夏に向かうと友人たちに誘われてヨットで海に出る
ことがあります。ヨットはドイツのDehler社の43フィート。船齢
も早10数年とそこそこいっていますし、質実剛健。豪華な
設備はなにひとつありません。でも船内にはコンロが3つ
にオーブンが1つ、2槽式のシンクが着いた小さなキッチン
もありますから、数日間だったら5〜6人でも旅をすること
ができます。
        
photo001.jpg
           
毎回、海の上に出ると、ことさら自然の偉大さに感動し
地球の美しさを感じます。
           
photo002.jpg
            
水深200メートルを超えて航海計器が計測不能になっ
てしまうと、自分の足元に広がっている想像もつかない
世界に、どきどきすることもしばしばです。恐怖とは異な
るのですが、自然への畏れが動悸を高めるのかもしれ
ません。
            
photo004.jpg
            
水温や海の深さや空の光によって刻々と変わる海の色。
天候によって海のうねりが変わり、潮の干満によって潮
の流れも変わります。
船をお持ちのかたがたはきっと同じような思いを抱かれて
おいでのことと思いますが、海に周囲を囲まれていますと
人間は地球の上で「生かされている」存在なのだというこ
とを実感させられます。
            
セール(帆)で、あるいはエンジンを使って海上を進み、船
でしかアプローチしにくい入り江にアンカリング(投錨)して
パスタやサラダのシンプルな料理を作ったり、BBQをしたり。
満腹になったら好みの飲み物をかたわらに、デッキやハン
モックの上で潮風に吹かれながら昼寝をするのは、それは
気持ちのよい夏ならではの楽しみです。
              
photo003.jpg
               
同時に、この娯楽のために、海にとってネガティブなことも
おこなってしまっていることについて後ろめたさを感じること
もしばしばなのですが・・・。
              
実は、ヨット内で消費された水は管を通ってダイレクトに海
に排水されてしまうのです。船底あたりには魚の群れが
見えます。使った食器は、洗剤を使って油汚れもきれいに
洗いたいのですが、洗剤入りの水をそのまま海に垂れ流し
てしまうという事実に気付いたときには困惑しました。無意
識に口をついて出たのは「お魚さんごめんなさい!」(笑)。
謝ってすむ問題ではありませんが、いまでも心のなかで謝
りながら、できるだけ少ない洗剤で汚れを落とせるように
工夫をするようになりました。
            
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また、外洋航海のロングクルージングでもしない限りは
死活問題にはなりませんが、船内で使える真水の量に
は限りがあります。
          
ちなみに2007年の日本人1人当たり1日の水消費量は
303リットル(※1)です。生活用水の利用割合は、トイレ
28%、入浴24%、炊事23%、洗濯17%、洗面その他
8%です。34フィートのヨットですと水タンクの容量は大体
150リットル。
34フィート級のヨットではシャワールームやバスルームは
付けてありませんから、おもに使われるのは炊事というこ
とになります。統計的には炊事だけで1人当たり1日平均
で70リットル使うのですから、単純計算すると炊事2日分
しかタンク内に水がないことになります。
           
水使用量.jpg
  出典:『TOTO環境BOOK』より
             
なにも知らずに初めてこのヨットに乗ったときに、盛大に洗剤
を使い、じゃんじゃん水を使って洗い物をして、「ここは陸地じ
ゃない!」と悲鳴をあげられたこともありましたが、いまでは
洗い物をする人の手元が気になってしかたありません(笑)。
           
水質汚染の危険さや水の貴重さをダイレクトに実感するよう
になったのですから、ヨットの功績は大きいと思います。
           
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地球環境保護についてきわめて自然に語られるように
なってずいぶんと経ちます。
製品ばかりでなく、サービス業でも環境配慮が前面に
打ち出されているのを目にするようになりました。
海外の高級リゾート地のなかには、たとえばSix Senses
Resorts & Spas
のように環境破壊を最低限に食い
止めるために、明確なサステナビリティ・ポリシーを持っ
て経営されている施設が、感度の高い人々の間で評価
されるようになってきたと思います。
             
photo007.jpg
Six Senses Hideaway in Samui Island
            
          
TOTOもかねてより、地球環境に配慮した商品開発を
進めてまいりました。これまで環境配慮は企業として
当たり前の行為として考えていましたので、敢えて謳
ってはいなかったのですが、今年、思いもあらたに環境
ビジョンを公にし、TOTO Green Challengeとして方針を
ご披露しました。
          
TOTO Green Challenge.jpg
          
一連の環境配慮商品はグリーン商品と呼んでおりますが、
そのなかでも家庭内で使われる水消費量の28%を占め
るトイレの1回の水使用量を4.8リットルに減らした超節
水技術は、今年から複数の商品に搭載してシリーズ化さ
れております。
その開発秘話は、TOTOの環境ポータルサイト「Green C
hannel」の「Green Story」でご紹介しておりますので、ご
覧いただければ幸いです。
       
          
TOTO Green Story.jpg
         
            
人が生活に快適さを求めれば求めるほど、地球環境に与
える影響が大きくなるのは事実です。ですが、人間が自ら
の存在を消し去ることはできません。いろいろ矛盾を抱えた
生物であることは確かですが、そのような私たちが、できる
範囲で地球のことを考えることが大切だと思います。
TOTOが打ち出す一連の環境配慮商品は「快適で無理なく
環境配慮ができてしまう」そのような毎日をみなさまにご提
供しております。
           
かく言う私は、あれもダメ、これもダメといったストイックな
環境配慮は長続きできません。ヨットでクルージングもし
たいですし、お気に入りの車でドライブも楽しみたい。
Aをする代わりにBで環境配慮をする、というように「快適で
無理なく」これからも自分の生活のなかでなにをどのように
バランスさせるかを考えることで、地球のことを考えたいと
思います。
           

※1出典:国土交通省 土地・水資源局水資源部 平成22年版日本の水資源について
※2出典:※1に同じ(2006年度東京都水道局調べ)


          
             
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コミュニケーション企画グループ
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