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アーネストコラム酒酒落落 ポーゲンポールジャパン株式会社 代表・川島東治さん Vol.1 投資アドバイザー(その1)

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2012年7月02日

投資アドバイザー(その1)


 2012年の今年、弊社ポーゲンポールは創業120周年を迎えました。私がポーゲンポール ジャパン株式会社(港区南麻布5-1-11)の設立・運営を任されて4年目となり、年月が経つことの何と早いことか、今さらながらに驚いています。このブログに初めて寄稿を依頼され、連載されたのが2年前の5月。私の拙文を見てくださった方が弊社ショールームにいらっしゃり、キッチンの受注に繋がった方がいらっしゃいます。このような機会をくださったアーネストアソシエイツ様に感謝しつつ、今回も4回の連載にお付き合いいただけますよう、読者の方々にお願い申し上げます。


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昨年納品された広尾ガーデンヒルズの案件。
弊社ショールームに近い同マンションは今後本格的な
リフォーム時期を迎えると思われ、期待が高まる。


 よく「年齢不詳」と言われますが、私も50歳を過ぎて立派な(?)中高年となりました。転職を重ね、よく言えば常に新しい挑戦を続けてきたからかもしれませんが、あまりにも学ぶことが多く、老け込んでいる暇も余裕もないのが若さを保っていられる理由なのかもしれません。今回のブログでは私が社会人になってからのこれまでを振り返りつつ、今後の夢と計画についてお話させていただければと思います。


* * *


 お会いする多くの方々から、「なぜ証券マンからキッチンのセールスマンとまるで違う分野に転職したのか」との質問を受けます。私は社会人となってから18年間、日系2社・外資系2社の証券会社に勤務しました。そのうち12年間が海外勤務です。2003年、証券・金融の世界を飛び出してから、医療サービス機器販売、映像制作、観葉植物販売の会社を経験し、現在に至っています。間の会社時代についてはおいおい話すことにして、最初と現在(あえて「最後」と言わない?)のギャップが皆様を驚かすようですが、実は私の中では同じことなのです。


 そのキーワードは「投資」です。


 私が日系証券会社へ就職した1985年は、「株屋」と呼ばれていた証券会社が総合的かつグローバルな金融機関へと、その変貌が加速されていた時代でした。金融のみならず、日本経済全体がバブル期に突入していく矢先だったわけですが、私にとって幸運だったのは、その翌年から海外勤務を命ぜられ、「投資」の意味や意義を海外の投資家から学べたことです。もし日本にいて、一部の同期生がそうであったようにバブリーな生活を謳歌してしまったとしたら、現在の私はないでしょう。赴任先はフランス、パリでした。学生時代にフランス留学経験のある私は語学を買われ入社したのですが、予想以上に早い海外赴任でそれが希望だった私は心を弾ませたものです。


 やや専門的になりますが、株式を公開している企業(上場企業)が投資に値するかどうかを測る指標のひとつにPERという尺度があります。Price Earning Ratioの頭文字を読んだもので、その企業の株価が、1年間で生み出す1株当たりの純利益の何倍になっているかを示すものです。例えばある会社の株式が現在1,000円で売買されているとして、その会社の1株当たり純利益が50円と予想された場合、PERは20倍、といいます。これは別の見方をすれば、その株式(銘柄ともいいます)は会社の20年分の価値を見越して売買されているとも言えます。このPERの数値が高ければ高いほど成長性に期待が持てるとも言えますが、バブル期の日本において上場企業の平均PERは60倍をゆうに超えていました。東京証券取引所で売買される1部上場銘柄全体の指標である日経平均株価は2万円を超え、3万円も超えようとしていた時代の話です。銘柄の中には100倍、200倍を超えるものまであり、さすがに200年先の株価は買えないだろうと呆れた現象が起きていましたが、実際にはそういう銘柄こそ人気が高く、株価の上昇も凄まじかったのです。


 パリでの私の仕事は主に日本の株式と転換社債(株式と社債の中間的な証券)を保険会社や銀行等の金融機関に推奨販売する営業でした。そういう顧客を新規開拓するのも仕事です。これら金融機関には世界のあらゆる国の証券に投資・運用する部門があり、その責任者たるファンド・マネジャーが私の顧客だったわけです。当時25、6歳の私にとって彼らはあまりに投資運用のキャリアに長け、その国際的な視野や考え方は会うたびに勉強になったものですが、その彼らでさえ(彼らだからこそ?)理解に苦しむ日本市場の破竹の上昇が、私のような若僧にも営業のチャンスを与えてくれていたのだと思います。


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当時盛んに行われていた日本株式セミナー。
金融機関のファンド・マネジャーらを招待し、株式市場がバブル期を
迎える直前、積極的に日本株投資を勧めていた(当時26歳)。


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日本株投資を強気で運用する機関投資家10社を募り、
1週間の日本ツアーを行った。彼らが投資する企業の本社や
工場訪問にフルアテンド(当時27歳)。


 そのとき、忘れられない顧客とのやり取りがありました。私は本社のリサーチ部門に所属するアナリストの企業レポートをもとに、ある自動車メーカーへの投資を推奨していました。その銘柄のPERは70倍、当時の平均PERとそんなに変わらず、高いという認識はありませんでした。相手のベテランのファンド・マネジャーは私に言ったものです。「いいかムッシュ・カワシマ、フランスのプジョーのPERは10倍だ。アメリカのGMだって20倍もない。そんなPERの銘柄にお金をつぎ込むのはもはや投資ではなく投機だ。日本もいずれ国際的なPER水準まで下がる」。


 この言葉が、私が「投資」の本当の意味を掴むきっかけとなりました。


 因みに現在の東京証券市場の平均PERは15倍程度。このベテラン氏の予言どおりなのですが、だからといって当時の彼の投資姿勢が正しかったかどうかはまた別の問題です。プロフェッショナルな資金運用者は毎年ベンチマークと呼ばれる市場の平均的なパフォーマンスを示す指標と比べ、それを上回る運用成績を収めなくてはならないからです。時には投機と思われても運用成績をあげるために短期的な買いと売りを行う必要もあったのです。
 何だかキッチンメーカーの人間が書いたとは思えないような内容で、まるで株式投資講座のようになっていますが、次号にて「投資アドバイザー」の真意をご確認ください。


(続く)


ポーゲンポール キッチンデザインセンター東京
http://www.tokyo.poggenpohl.com


「酒酒落落」川島さまの過去の記事はこちらから
http://earnest-blog.jp/past/2010/06/vol1_3.html




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