PAGETOP

アーネストブログ ENTRY

  • アーネストホーム 資料請求アンケート
  • アーネストホーム CD-ROMアンケート
メインコンテンツ
  • ENTRY
  • BLOG TOP

アーネストコラム酒酒落落 ニシザキ工芸社長・西崎克治さん 第1回 「現代の名工」の手による奉納板

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2012年10月01日

8月12日に開かれた「深川八幡祭り」の連合渡御。東日本大震災の早期復興祈願をテーマとした今回、史上初めて天皇・皇后両陛下がいらっしゃり、富岡八幡宮からお神輿をご覧になったニュースをご記憶の方も多いのではないでしょうか。お祭りの報道シーンというと、勇壮なお神輿を担いだり、威勢よく山車を曳いたりする姿をよく見ます。しかし、お祭り当日に行き着くまでには町の人達の献身的な協力があり、なかにはお神輿を担ぐことも、巡行を眺めることすら出来ない人もいます。こうしたお祭りの内幕を、4回に分けてご案内します。


1-1+.jpg
富岡八幡宮に集合した「総代」たち。


1-2+.jpg
私と三好2丁目の総代仲間。永代通りにて。


* * *
私の本業は、オーダー家具・キッチンの制作という立場で家づくりに関わることです。その一方、深川八幡祭りをとり仕切る「総代」としての顔も持っています。お祭りは家づくりとも共通する所の多いイベントと思います。家づくりに関わる大工や職人の多くは、完成前に別の現場に行ってしまい、竣工した姿を見ることは滅多にありません。しかし、職人たちに共通した思いは、ご家族の幸せな暮らしを末長く支える家を建てることなのです。


1-3+.jpg
ニシザキ工芸のオーダー家具実例。


さてニシザキ工芸のある「三好2丁目」周辺は、霊巌寺(れいがんじ)という江戸でも最大級の寺院の門前町として発展しました。大きな寺のまわりには、大工や建具師、木彫師、塗師など様々な職人が集まり職人町を形成します。当社のルーツもそうした職人の一人で、和家具を作る「指物師」でした。今もその技はオーダー家具・キッチンへと姿を変えながら生かされています。
当社の他にも代々続く職人は町のなかに沢山います。なかでも建具・木工職人の國友三郎さんは、厚生労働省「現代の名工」に選ばれた名工です。國友さんは三好2丁目のために「奉納板」を制作してくれました。今はベニア板に紙を張った簡単なものも見かけますが、名工の手による奉納板は町の自慢です。


1-4+.jpg
奉納板の組み立てを指導する「現代の名工」國友三郎さん。


深川八幡祭りの約2カ月前。神輿倉庫から奉納板を搬出し、町会の皆で協力して立てました。八幡祭りは3年に一度開かれますが、昨年は東日本大震災の影響で延期となり4年ぶりのお目見えです。奉納板の木枠は分解式になっていて、道の真ん中に置いて組み立てます。建具の技を生かした木枠には少しの狂いもなく、伝統的な仕口(ジョイント部)は、はめ込むだけで強固に連結されます。若い人たちにとって、伝統技術に触れるいい機会でもあります。木槌の音は町内にこだまし、お祭りが近づいたことを知らせます。


1-5+.jpg
心地よい木槌の音が町内に響き渡ります。


1-6+.jpg
精巧に刻まれた仕口を「木栓」で留めています。
組み立て・分解を繰り返しても痛みません。


深川八幡祭りの連合渡御は、富岡八幡宮前・永代通りから出発し、木場から清洲橋、新川、永代橋をぐるりとめぐる約8kmもの行程を、炎天下10時間近くかけて練り歩きます。各町から参加する54基の御神輿には、1基あたり300名以上の担ぎ手が必要です。昼食や飲み物、節目に行われる集会の他、高張り提灯などの備品、お神輿・山車の修繕、お仮屋や神酒所を建てる費用なども合わせると、各町会ごとに数百から1000万円の予算が必要となります。寄進者のお名前を掲げる奉納板は、寄進を集めるためにも、とても大切な存在なのです。深川八幡祭りは、江戸三大祭り(神田、山王、深川)のなかでも、町民の自治によって行われてきた祭りです。江戸の昔から、町の一人一人がスポンサーとなって運営してきたことに、私は誇りを感じます。


1-7+.jpg
皆で力を合わせ、奉納板を立ち上げます。


1-8+.jpg
順番を確認しながら寄進者の木札をはめていきます。




さて次回は、清澄庭園の池の上に建つ「涼亭」にご案内します。ここで開かれる「顔合わせ会」は、江戸の風情を今に伝える貴重な機会となっています。




ニシザキ工芸
http://www.nishizaki.co.jp/        




デザイン・設計の
アーネストアーキテクツサイトはこちら
new-B.jpg


リフォームから、施工までの
アーネストグループ全体サイトはこちら
group_bana.jpg


TOPに戻る


PAGETOP