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アーネストコラム酒酒落落 アムスタイル代表・清水克一郎さん 第三回「負けない日本になろう」

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2013年6月24日

「負けない日本になろう」


まずは手前みそな話から。


アムスタイルは今、史上最高の忙しさで、おそらく来春まで走り続けるような感じです。景気の影響もあると思いますが、でもおそらくこの5年間変化し続けた結果だと、たまには信じてみようと思う今日この頃です。


そんな日々、仕事とは何の脈絡もなくギターを2台手に入れました。それは五十男の手習いではなく、今こそ本格的に弾いてみようという決意です。1台はマーティン社の代表的なアコースティックギター「D-28」。もう1台はフェンダーUSAの「テレキャスター1958年モデル」、こちらはエレキギターです。いずれもスタンダード中のスタンダードと言えるモデルです。学生時代は安価なコピーモデルを買ったり、どうしても本物が欲しくなると必死にアルバイトをして手にいれたものです。お金がなくて一度は手にした楽器を手放してしまった青春時代へのリベンジでもあります。


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マーティン社「D-28」


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フェンダーUSA「テレキャスター1958年モデル」




>>価値ある無駄遣いなら


さてその「テレキャスター」。実は購入したままではチューニングが合いづらく、使いこなすことが難しいギターです。原因は6本の弦が乗る金属製のサドルというパーツにあるのですが(ここでは詳細は省きます)、解決策をインターネットで調べると、その問題を解消するだけでなく、さらに音も良くなるという7500円也の真鍮製の交換パーツを発見。さっそく取り寄せ、仕事疲れでショボショボの老眼と小さすぎる極小の六角レンチで格闘し取替えを完了しました。その結果、チューニングはきれいに合い、音質はツヤのある骨太なものに生まれかわりました。


大事なページを割いて何を言いたいのかとお思いの読者のみなさま。僕の趣味の話ではありますが、そこから仕事に通じる追求心、ひいてはお客様の満足度についてお話したいのです。


仕事の現場では利益や原価率といった数字が重視され、その管理の元に業務が遂行されます。これは経営指標としてそれは欠かせない要素です。そこで僕たちが日々考えていることは、「役に立つ、価値ある無駄遣いをしよう」ということ。もちろん、怠慢や不勉強による無駄遣いは許されません。
アムスタイルのように注文受注型の仕事においては、お客様の期待に応えようとした時に、計画にはないけどもう一つここを良くしよう、という視点が肝心です。ややもすれば予定行動の範囲で仕事を終えてしまう。しかしそれではアムスタイルのお客様は満足してくれません。よく見える箇所、見えないけど仕上げておきたい箇所。ものづくりの仕事には、改善点は無数にあります。
僕は担当者がここはやらなければと判断し、決断したことに文句は言いません。長い目でみればその決断は称賛されることだからです。


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実は最近、お客様の新築のお祝いで集まったご友人3人が偶然アムスタイルのキッチンのオーナーだったという話を聞きました。これほど嬉しいことはありません。毎日一生懸命やってたら僕らのファンになってくれた。それだけじゃない、そのファン同士がつながっていたのですから。




>>真似するなら徹底的に


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今年の春先、台湾に行ってきました。「見ておいた方がいいよ」という知人の紹介で、あるレジデンスの見学に行ったのです。日本で言えば超高級マンションなのですが、発想も思想も次元が違います。聞けば、オーナーは設計の前にスタッフを引き連れてヨーロッパの建築物の視察に行き、そこで膨大な枚数の写真を撮ってきて、「徹底的に真似をしろ」と指示を出したのだそうです。
ふんだんに使われた天然石の加工デザイン。アーチ状の銅貼り天井の技術。インテリアに目を向ければフィットネスがライブラリーと一体化していたり、いくつもある共有ルームでは、家具、調度品からキッチンまで、おざなりに選ばれたようなメーカー品は一切ありません。そのすべてが特注品かヨーロッパのハイブランドだけなのです。


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趣味的には賛否があるでしょう。でも日本にいるとグローバルだのボーダレスだの言葉だけが一人歩きして、何も変わっていない現実につきあたります。良いものがあれば、まずは徹底的に真似をする。本物を超えるまで徹底的にやる。それをやり続けると自分のものになる時がやってきます。発想も技術も中途半端なままで、オリジナルです、なんて言ってみても誰も見向きはしませんね。カタチや色だけでなく、そのものの生い立ちまで切り込んで真似をする。そうして言わば思想までを共有した時にグローバルに通用するモノを作ることができるのではないでしょうか。
負けない日本のスタートはそこからのような気がします。


* * *


こんなにとりとめもないコラムでよいものか、と思いながらも、次回が最終回です。飽きてもあと一回、最後までお付き合いください。


実は冒頭のギター、子供たちにグランドピアノを買ってやりたいと始めたピアノ貯金を取り崩して買ってしまったのです。どうしよう。。。




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アーネストコラム酒酒落落 アムスタイル代表・清水克一郎さん 第二回「人生は味わい深く」

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2013年6月17日

先日、家の近くにある小学校が公開されていたので、長男の来春入学に向けて見学に行ってきました。しばらく授業の様子をのぞいた後、賑やかな子供たちの声を遠くに聞きながら、誰もいない理科室で不思議な時間を過ごしました。自分が子供だった頃、時の過ぎるのがゆるやかすぎて大人になることなど想像すらできなかった時代、そして今、大事な自分の子供の進路のことさえ忘れてしまうほど、めまぐるしく忙しい毎日。
わずか5分程度の時間でしたが、40数年前と今をつないでくれた有意義な場所でした。


>>インテリアは完璧を目指さない


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感傷に浸りながらもここは仕事の癖、細部に目がいってしまいます。
グループ机の真ん中に設置された陶器のシンクではビーカーや雑巾などを洗いますが、深さがあるので子どもの身長に合わせて、前部が低く切り欠かれています。またバーナー用のガス栓はシンク前のエリアに規則正しく。デスクサイドには3口のコンセント。さらにデスクトップは広く、機能はセンターにまとめてと、キッチン作りのお手本のように良くできています。黒い天板も意匠的なポイントですね。


それにしてもこの教室はカッコいい。黒板をセンターにシンメトリーなレイアウト。前後に伸びる天井の2本の太い梁も無骨で良い。インテリアを作るのに、何でも隠してスッキリという要望が多いのですが、ちょっと雑然と好きなものを置いて、完璧を目指さない方が良い。そんなことを考えてしまう教室の風景でした。




>>必要なのは異なる価値観


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さて、最近思うこと。それは、家づくりは男女の問題そのものだということです。僕らの仕事にこのテーマは避けて通れません。しばしば離婚の原因に「価値観の相違」という言葉が使われますが、本当にそうでしょうか。そもそも結婚する時には自分にはない相手の経験や能力に惹かれてお互いを選んだわけで、まさに「価値観の相違」が結婚を決断した理由だったはずです。


家づくりのご相談を受けていると気づくことがあります。特にリフォームの場合は、夫婦はすでに長い年月を共に過ごしてきたので、その家特有の価値観を共有しています。ですが、家を作り直すとなると、過去と未来への思いが交錯するので、それぞれの価値観が強く現れてきます。中でもキッチンはその家族の役割や生活のスタイルが色濃く反映されるので、アムスタイルの宣伝文句「徹底的にカッコいいこと」だけでは成立しません。


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写真の白いキッチンは数年前にお納めした、マンションリフォームのものです。あの「理科室」によく似ていませんか。
毎朝子供のお弁当を作る時、夜遅く夫婦でお酒を飲む時、友人が集まった時、そんな日々のために素早く料理ができる環境がテーマでした。コンロは大型の5口ガスに排気量の大きい特注のレンジフード。センターに鎮座した冷蔵庫はワインセラー付きです。飲みながら料理して、左側のカウンターでは子供が勉強している。そんな毎日が形になったキッチンです。決してスタイリッシュではなくがっちりとしたフォルム。黒板の位置が冷蔵庫に入れ替わったと見れば、天井の梁型もあいまって、まさにあの「理科室」の雰囲気ですよね。




>>人生は味わい深く


では、男女の話に戻りましょう。夫婦は実は同じことを考えているようです。数ヶ月におよぶ打合せでご一緒していると、最後はいつもそう思います。でも考える順番が違う。言葉の選択が違う。だから途中で決裂しそうになることも。そんな時、あえて突拍子もないアイデアを投げかけてみることがあります。すると大抵、おふたりは声を合わせて、それは違う、時には、全然イメージと違うと言って怒られてしまうこともあります。しばしその場の雰囲気を戻すのに苦労しますが、心の中ではこれで大丈夫と思っているのです。


キッチンも家も完成するまでのプロセスが大切です。この期間が充実していないとお客様は契約をしてくれません。なので、夫婦が意見を交わしていればそれを見守る。まとまりすぎて面白みにかけてきたら、余計な口を挟んでみる。さまざまなものの見方、異なる価値観があることを施主もスタッフも共有することで、ようやく到達点が見えてきます。


この先、味わい深い人生を過ごして行くためには、このくらいの苦労はあった方が良さそうです。




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アーネストコラム酒酒落落 アムスタイル代表・清水克一郎さん 第一回「キッチンの仕事のできること」

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2013年6月10日

僕は自分の心の内や考えを文章にしたことがほとんどありません。筆不精もひとつの理由ですが、仕事の目的が自己表現ではなく、人が喜ぶことをカタチにすることに徹底してきたことが一番の理由でしょう。カッコ良くいえば自分を語らない。それが信条なのですから、今回アーネストブログへ寄稿させていただくことはちょっとした冒険でもあります。でもせっかくですのでこれを機会に、自分なりに僕とアムスタイルの仕事の内面を掘り下げてみたいと思います。


* * *


>>キッチンの仕事のできること


僕は20代、30代を通して音楽に関わる仕事を続けてきました。32才で会社を作ってからもその環境は変わりませんでした。そして傍目には突然、38才の時にアムスタイルキッチンを創業したのです。なぜだったのでしょう。その理由について先日ふと考えさせられたシーンがありました。


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スケルトンリフォームの解体の初日に立ち会った御宅のキッチンの壁に、黒いサインペンで書かれた「ありがとう」の文字。ご家族が退去される時に書いたようです。僕は思いました。「僕たちはこの家族の新しい人生を作る仕事をしているんだ」と。ともすればデザインや素材選びなどものづくりの表層的なことばかりに捉われ、施主の気持ちの奥底にある想いを理解しないまま仕事をしていることはないのかと。昔、音楽に携わっていた頃はどうだったのでしょう。自分のアイデアや企画に酔いしれてお客さんや周りのスタッフの気持ちを一つにすることに専心できていたのだろうかと。


実は自分の中ではキッチンを作る仕事は、エンターテイメントそのものなのです。
施主の思いとアムスタイルの表現手法の接点を見つけてキッチンをつくる。できることならば完成した時には、施主が涙してしまうほどの感動を与えたい。音や映像でできることが、家づくりの仕事にできないはずはないと信じて、毎日の仕事に向かっています。


>>暮らしの息づかいを伝えたい


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実はアーネストさんとアムスタイル、共通していることがあります。それは広告表現です。どちらのブランドもそこに使われている写真のほとんどが、実例であるということ。これは自画自賛ですが大変に価値あることなのです。
施主が選んだ土地やマンション。設計士やインテリアコーディネイターなど多くのスタッフが関わり出来上がっていく空間に、アムスタイルのキッチンが据え付けられる。そして完成した家。窓から望む風景も大切です。塗り壁の質感も大切です。これらの写真にはどんな有名ブランドのスタジオ写真にもない、そこに暮らす人々の息づかいと積み重ねられてきたセンスが横たわっています。今後、そんなアーネストさんとアムスタイルのコラボレートも期待いただけるのではないでしょうか。


>>オリジナリティより大切なこと


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先日、久々に軽井沢で撮影を行いました。この施主さん実は軽井沢で2軒目の家づくりです。1軒目もご一緒させていただき、再度ご指名を頂いた喜びはひとしおです。写真で感じていただけるでしょうか、家中に溢れるゆるやかな時の流れを。置かれた家具はブランドで取り揃えられたものではなく、肩肘張らないセンスの良さを感じます。旧軽井沢の木立の中にポッカリと空いた土地に佇む平屋建て。リビングとテラスの両方に設えられた暖炉。林と室内の端境が季節や暮らし方によって変化する家です。


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キッチンは大理石をぶ厚くあしらい、堂々としたフォルムで戸外と空気を共有しています。実はこのキッチン、お話を頂いた時にはお客さまのイメージは出来あがっていました。僕たちがしたことは、それを具体化したこと。お客様が思い描いたデッサンに、細かい寸法やツヤの質感などを加え、額装して出来上がった一枚の絵のようなキッチンです。


* * *


僕はオリジナリティという言葉が好きではありません。世界でたった一つの・・・なんてものも興味がありません。その人が歩んできた人生、その人の内面から溢れるものをしっかりと受け止めて、アムスタイルの世界観の中で好きなように演じていただく。施主がまとめきれない、とんがった部分も残しつつ、言わば少しは未完成でも、一目でアムスタイルだと分かるような上質感をその家に残してゆきたいと考えています。


ちょっとテーマの定まらない話になってしまいました。軽井沢から次回はどこへ行きましょうか。


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アーネストコラム酒酒落落 第20回連載は…

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2013年6月03日

各分野でご活躍の方々がそれぞれの視点で自由にテーマを設定し、執筆いただく全4回の連載コラム「洒洒落落」は、次回で第20回を迎えます。これもひとえにアーネストブログをご愛顧頂いております皆様のお蔭です。
改めてお礼申し上げます。


記念すべき20回目のゲストは、上質を求めるハイエンド層から絶大な支持を集めるオーダーメイドのキッチン家具メーカー「amstyle(アムスタイル)」代表取締役の清水克一郎さんです。


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「永遠で不変」をコンセプトに、長く使い続けられる洗練されたオーダーキッチンの数々を発表。また近年はリビングコーディネートや住空間デザインまで広く手掛け、注目を集めておられます。




〜プロフィールご紹介〜


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清水克一郎さん


1961年 東京生まれ
慶応大学中退 
音楽制作、イベント企画などの仕事を経て
1993年 アムスタイルの前身となる会社設立
1999年 amstyle kitchenブランド立ち上げ
2001年 株式会社アムスタイルに改組
amstyleのコンセプトメイカーとして事業にあたっている。


連載にあたり、清水さんからメッセージを頂きました。


キッチンを建築や家具としての視点だけでなく、日々の暮らしを豊かにする音楽や絵画、例えればリビングに置いてある古いピアノのような存在として、そこに住む人へアムスタイルのコンセプトを提案していきたい。そんな仕事の日々の中で気づいたことを書き綴ってみたいと思います。
清水克一郎


* * *


単体としてのキッチンではなく、暮らしに溶け込んだキッチンの在り方を追求し、オーダーキッチンとその進化をリノベーションなどの住空間デザインで表現するなど、常に新しい挑戦を続けておられる清水さんが大切にされている想いとは。全4回に渡って掲載いたします。お楽しみに!




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amstyle(アムスタイル)
使い続けてこそ「ベスト」の状態に近づくものでありたい。そんな信念のもと、時の試練を受けて価値となるために素材を厳選し、細かなディテールでキッチンをくみ上げていく、日本を代表するオーダーメイドキッチンのブランド。素材の一つひとつに「真価」を追求し完成する使う人の暮らしに沿ったキッチンは、暮らしに、空間に、建築に美しく馴染み、豊かな生活を生み出してゆきます。
東京・福岡にamstyleの世界観を体感できる「アムスタイルラウンジ」を展開しています。




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