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アーネストコラム「酒酒落落」医療通訳者 アビー・ニコラスさん 第三回「医療通訳者にとって欠かせないもの」

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2013年7月29日

3.医療通訳者にとって欠かせないもの


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最後に、医療通訳者にとって欠かせない点は色々とあるのですが、二つに絞ってご紹介したいと思います。


一つ目はプライバシーを守る事です。患者さんの氏名・年齢・性別・住所・国籍などはもちろん、その人の病状、処方された薬や検査とその結果、どこの病院で何科の診察を受けたのか、医療従事者との間での話の内容は一切外に漏らしてはいけない決まりになっています。また医療従事者やスタッフなど、病院内のすべての人のプライバシーも同様です。


さらに、通訳者自身の個人情報も漏らしてはいけません。自己紹介する時は氏名全部を名乗る事さえしないのですが、なぜでしょうか?
患者さんに通訳者の電話番号が知られてしまったと想定しましょう。慣れない国で生活するという事自体に、度合いは一律ではないにしても、ストレスの要素があります。人によってはそれが精神の不安定につながる場合も少なくありません。そんな患者さんから相談の電話がかかって来たら、通訳者は正しく責任を持って最後まで対処できるでしょうか。
通訳者は精神医学の専門家やカウンセラーではないため、誤った助言や手助けはかえって状態を悪化させることにもなりかねません。だからこそ個人情報を教えることはタブーであり、通訳者自身の家族や身内の前で話題にする事すら厳禁なのです。


そんな仕事ですから、慣れてくると独りで重荷を背負い込んでしまうことがあります。そんな時は守秘義務が保たれる相談相手、例えば同じ活動をする仲間の上司やコーディネーター、カウンセリング専門家などに話を聞いてもらうことで、通訳を続けるための三種類の健康(経済的健康・精神的健康・身体的健康)を維持するべく努めています。


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可能な限り、仲間同士でコミュニケーションをとることを心がけています。


二つ目は、患者さんが話しやすい態度を心がけることです。
通訳者の心の中にある、患者さんに対する思いやりや意気込みは表立っては見えませんが、初対面の患者さんに信頼してもらうにはどうすればよいでしょうか。まず、出身国の文化や習慣を理解し尊ぶことです。


一般に言葉の壁がある時、人は視覚での認知に頼るところが大きいといわれます。しかし表情や動作による印象の違いは国や文化によって時には大きく異なり、絶対的な目安など元々ないから大変です。親しみ易くするのは良い事のはずですが、その受け取られ方が国によって、文化によって、個人によっても異なります。
例えば、握手や相手の目を見て話すことが親しみや信頼を表すという欧米の常識は、別の文化圏から来た人たちにとっては不快なこともあります。また首を振るしぐさがYESの意味となる文化圏も存在します。また同じ文化圏の人であっても、個人により個性があるのは、各国共通ですよね。

第2回の記事で、患者さんの訴え・医師の発言に通訳者の考えや意見を混ぜてはいけないとお伝えしました。
ところが例外として、患者の文化的背景や習慣についての情報が、患者の診断や治療に必要であると考えられる場合、それを医師に伝えることがあります。例えば、宗教的な理由で輸血が出来ないために手術を断るかもしれないという場合や、断食の時期で日中食事が出来ないために食後の薬が飲めないという場合などです。


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世界には日本ではあまり知られていない文化や習慣が多くありますが、それらを無視するのは人権を奪う行為に等しいと言えると思います。医療通訳者は医療を施す資格もないし、外国人患者を助けていると考えるのは正しくありません。医療通訳とは、「人が人である権利が奪われる事態が起こる」のを防ぐための支援をする行為、と言っても過言ではありません。だからこそ異文化理解の勉強が欠かせないのです。


通訳と聞くと日本ではエリートと捉えられがちで、実際そういう面もあるでしょう。しかし仲間たちの殆どは(たとえそうであったとしても)肩書や学歴や生活水準など何とも思っていないし、患者さんの立場に立って通訳を務めようとします。会議通訳でも商談通訳でもエスコ−ト通訳でもなく、MICかながわの医療通訳は「コミュニティー通訳」なのです。
従ってその活動は、「同じ地域に住む同じ人間同士が文化や言語の違いを乗り越えて、互いに支え合いながら多文化共生が出来る社会を築こうとする」という考え方に支えられていると思っています。


* * *


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通訳者は、通訳者自身が各種制度に精通した専門家として動くのではなく、専門家につなぐのが役割です。医療に関わる専門家や関係者の役割や仕事内容を把握することで、うまく連携をとる。そして自身が通訳に徹することで通訳の正確性が維持され、誤りを防ぐことに繋がります。医療関係の専門家や相談窓口の連絡先を知っておく事で、患者と専門家との間の架け橋になることこそ、コミュニティー医療通訳としての本望だと思うのです。


私たちMICかながわの通訳者たちは、このようなことを大切に活動を続けています。この記事をきっかけに、医療通訳という活動について少しでもご理解いただける人が増えれば、こんなに嬉しいことはありません。(終)


★「医療通訳」と「MICかながわ」について、英文でもご執筆いただきました。
こちらもぜひご覧下さい。(クリックで記事が読めます)
MIC Kanagawa and medical interpretation


MICかながわウェブサイト
公開講座なども開講中
http://mickanagawa.web.fc2.com/




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アーネストコラム「酒酒落落」医療通訳者 アビー・ニコラスさん 第二回「一般通訳と医療通訳の違い・通訳の際に気をつけておくこと」

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2013年7月22日

2、一般通訳と医療通訳の違い・通訳の際に気をつけておくこと


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医療通訳ということは最低2言語以上に堪能で、しかも医療用語や表現にも慣れていなければなりません。そこには「語彙・話す・聴く・読む・書く」の五つの能力に加えて、言語を超えた通訳能力が必要です。
その能力とは何か、例を挙げてみます。これは、一般的な通訳と医療通訳との違いともいえることです。


MICかながわの医療通訳は単体で活動し、活動場所は病院の診察室や薬局です。そして通訳を必要とする対象も一人です。対象となる患者さんは医療知識を持っていない可能性が高く、加えて病気をお持ちだということで難しさは増します。いかに手さぐりでコミュニケーションをとっていけるかが重要になってきます。


では実際に医療通訳を行なう際、どのようなことに気をつけているかというと…。


仮に、患者さん一人と医療従事者と通訳者の三人で診察が進められるとします。通訳者は患者さんの発言と医師の発言の両方を通訳する、つまり一人で二役を務めます。そこでまず大切なのは内容が正確であること、それを最初から最後まで維持するということです。


具体的には順次通訳していく方法(逐次通訳)をとり、同時通訳は行ないません。逐次通訳とは、医師または患者が話している間、通訳者は黙って聴き、切りの良いところで話を止めてもらい通訳し、その後再び話を続けてもらうという方法です。


そして通訳をする際には、一人称を使います。例えば患者さんが “I think I have a fever.”と言ったら、通訳者は「私は熱があると思います」と医師に伝えます。「患者さんは『熱があると思う』と言っています」とは訳しません。
こうすることで患者さんと医師が直接やりとりしているかのような雰囲気が作られ、患者さんの精神的な自立と責任感を促すことに繋がります。


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通訳者にとって、元の文章の編集や自分の考えを反映させることはタブーです。思ったことを足したり引いたり、変えたりしないというのが鉄則です。
加えて、誤解され易いことばや表現は避けるようにします。通訳者は複雑な構文や言い回しは使わず、それでいて正確性を失わずに通訳出来るよう訓練しています。表現に多少の不自然さがあっても、誤解を生んで何度も聞き返したり、やり直したりするよりはずっと良いためです。
例えば “It isn’t.”と言うのではなく “It’s not.” を使う、“You aren’t going to ….” ではなく “You’re not going to ….” と言う、それにより肯定か否定の紛らわしさを減らすことが出来ます。そんな風に分かっていても実際にはなかなか出来ないものなので、普段から訓練や練習を行なっています。


通訳者は基本的な医学知識をより多く持っている方が、患者さんに分かり易い言い方が出来るのは当然のことですが、その一方医療の事は医師に任せるのも当然です。通訳者が医療の専門用語ばかりを言い並べても肝心の患者さんが理解出来なければ、それは通訳者の自己満足となってしまいます。誰のための通訳なのかを常に念頭に置く事が大切なのです。 (続く)


★「医療通訳」と「MICかながわ」について、英文でもご執筆いただきました。
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アーネストコラム「酒酒落落」医療通訳者 アビー・ニコラスさん 第一回「医療通訳という活動と「MICかながわ」」

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2013年7月15日

アーネストとご縁が繋がった方々がそれぞれの視点で自由にテーマを設定・執筆いただく連載コラム「洒洒落落」。第21回は医療通訳、という少し特殊な分野でご活躍中のアビー・ニコラス・フリューさんにご登場いただきます。


〜プロフィールご紹介〜


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Abbey Nicolas FREW (アビー・ニコラス・フリュー)


‘外国語が出来れば誰でも国際人’をいう考え方や表現に真っ向から逆らい、言葉の背後にある異文化の妥当的理解がむしろ大切だと信じる4か国で育った自称「地球人」。
横浜市在住期間が長くなってきたが、意識としての故郷はいつまでも米国カリフォルニア州ロスアンジェルス市。
元スポーツ選手からプロの舞踊家に転身後、事故で3年近い医療手術と治療の入院・療養生活を体験。その後20代半ばで教育関係に再転身と同時に再び外国生活を一時的に始めるが、日本語研究の傍ら語学教育、通訳、翻訳などを続ける内に横浜に定住(もはや神奈川県横浜市は第二の故郷)。
現在、MICかながわとAIDSネットワーク横浜でボランティア活動を続けながら、東京にある大学の非常勤講師を務める。又コミュニティー活動に積極的に参加する形で、より摩擦の少ない地域の国際化に貢献したいと考える。


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* * *


次々と迫る荒波を越える勇敢な心で様々な道を経て、現在は日本語の研究や教育に携わってきたニコラスさん。そんなニコラスさんが取り組むボランティア活動、「医療通訳」とはどのような仕事なのか。
今回より全3回でお届けします。


* * *




1、医療通訳という活動と「MICかながわ」


一般に病院と呼ばれるところには色々な科があります。しかし日本に住む外国人には、もちろん外国人専用科などいうものはないため、日本人がかかる医師や看護師に診てもらう事になります。


問診や治療や検査、薬の処方、さらには出産や手術などなど、当たり前のことですが医療に関する通訳分野の幅は日本人が日本語で病院にかかるのと同じ広さがあります。日本語が話せなければ医師に自分の症状を訴えることもできないし、医師や看護師、検査技師や薬局の人の説明も理解することができません。初めて病院にかかるとすれば、問診票の質問に答えたり、○や×を付けたり、既往歴や家族歴やアレルギーの有無などを記入する作業もありますね。また、カルテを持ってどこの何番窓口に行って順番を待てば良いのか、何の検査をするのかも、分からないことが多いのです。


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そういった外国人の方をサポートするひとつに、「医療通訳」があります。


通訳者は日本語ができない患者さんの言葉を日本語に通訳して医療機関側の職員に伝え、その逆も行ないます。通訳は病院の受付から始まり、薬局で患者が薬を受け取り、代金を支払うところまでが含まれます。


通訳者は病院の職員ではないので、給料や交通費は病院から支給されずボランティアです。余命などの告知や死の現場など、難しい通訳は精神的な負担も大きく、病院で知らないうちに何かに感染してしまう危険もあります。つまり、医療通訳に従事する者は、経済的・精神的・肉体的な健康が求められます。


そんな通訳者たちの管理・派遣を行なっている団体が、特定非営利活動法人「MICかながわ(正式名は「特定非営利活動法人多言語社会リソースかながわ」)」です。私も医療通訳者のひとりとして、ここに在籍しています。


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MICかながわは多言語共生者に向けて「『ことばの壁』をなくそう!」をモットーに、言語や文化の違いによる壁をなくすことで、誰もが安心して医療などの公共サービスを受けることができ、活き活きと暮らせる社会の実現を目指している団体です(一部ウェブサイトより抜粋)。


2002年4月の設立後、色々な認定や承認を受け、現在までに約40近くの医療機関と協定を持ち、通訳派遣事業を行っています。登録通訳者は約150から200名おり、10言語の班に分かれています。日本人も外国籍人もいます。日本人には移住経験のある人もいる一方、日本から出たことがない人も、さらには日本に帰化した元外国籍の人もいるなど様々です。皆それぞれ別の生計手段を持っていて、通訳は食べるための手段ではありません。


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ミーティング風景


事業内容としては、主に医療機関で日本語での問診や治療が受けられない人たちに通訳を提供します。MICかながわは医療機関以外にも通訳を派遣していますが、ここでは医療通訳のみに限ってご紹介したいと思います。(続く)


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アーネストホームのウェブサイトがリニューアルオープン致しました。

  • ABOUT US
  • 2013年7月08日

梅雨明けし、いきなりの猛暑となっていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本格的な夏を迎えると同時に、アーネストの住宅も続々と完成を迎えております。


「自由設計」を掲げ、世界にたった一つしか存在しないオーダーメイドの住宅を建築しているアーネストグループですが、中でも施工を担う「アーネストホーム」は、グループの中でも最も歴史の長い会社です。


ウェブサイトに関しても長らく同じ仕様となっておりましたが、この度、大幅な改変を加え、リニューアルオープンいたしました。


アーネストグループは、設計・施工・リノベーションなど、工程により担当する会社が分かれております。


会社の歴史が長いぶん、皆様に検索していただきやすい「アーネストホーム」のウェブサイトだからこそ、知りたい情報に迅速に、的確に辿り着けるよう、トップに「アーネストアーキテクツ(設計)」「アーネストホーム(施工)」「クラフトスピリッツ(リノベーション・リフォーム)」の各ウェブサイトへご案内するページを設けました。


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アーネストの作品をご体感いただける現場案内の予定を紹介する「現場案内情報」も新たに設置しています。




そして、アーネストホームのウェブサイトには、事例紹介やサービス紹介に加え、着工時に現場に取り付る「現場LIVEカメラ」の詳細もご紹介しております。


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ページのトップ。スッキリと見やすく、動作性の良いページ作りを心がけました。


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24時間、パソコンやスマートフォンから現場の状況を確認できる「LIVEカメラ」の詳細をご紹介。着工時にすべての現場に取り付けを行なっております。


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「専用住宅」「集合住宅」「商業施設」ごとに実例をダイジェストでご紹介する、事例紹介ページ。


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設計がおおむね完了後、施工の契約から竣工・アフターフォローまでの流れを、写真付きでご案内しています。具体的な流れを知っていただくことで、より鮮明に住まい完成への道をイメージいただけます。




内容もデザインも新しくなった、アーネストホームのウェブサイトは以下のアドレスよりお越しください。
http://earnest-home.jp/


もちろん、スマートフォンやタブレットでもご覧いただけます。
皆様のご訪問をお待ちしております。




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アーネストコラム酒酒落落 アムスタイル代表・清水克一郎さん 最終回「くせにする、ということ」

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2013年7月01日

“それはあなたと私のよう
遠く離れて時の波間を漂い続けている
見知らぬふたりのように
僕たちは闇夜を渡って行く2隻の船
そして僕たちは笑い合う、これで良いねと”


これは1979年にバリーマニロウが歌った「Ships」という曲の歌詞です。
父と息子の愛を綴った詩ですが、強い愛で結ばれた関係、それは男と女でも、古い友人でも、母と子でも同じです。信じているからこそ、離れていられる。時には分かれて生きることを選択することもあるのです。
ともだちの少なさが自慢の僕ですので、大切にすべきことを心して生きて行こうと思う、ちょっと忙しい日々です。


* * *


「子供の手」


5才の長男がピアノを習い始めて半年が過ぎました。
僕が教えたことは鍵盤を強くしっかりと弾いて良い音を鳴らすこと。それだけです。はじめのうちは大丈夫かなと思うほどたどたどしかったのですが、気がつけば最近は左手で弾く三声の和音が男の子らしくガンガンと響いています。さすが我が息子と酒のつまみに悦に入っている今日この頃です。まあ、弾いているのは「こぐまのマーチ」なんですけれどもね。


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何はともあれ、親心としては上手くなくてもいいからせめて10年はレッスンを続けて欲しい。子ども時代に覚えた自転車や水泳の感覚が50年経っても失われないように、楽器のひとつくらいは体幹に覚え込ませて欲しいのです。近い将来のお勉強の成績も気になりますが、まずは始めたピアノが息子の人間力の礎になるまでは続けて欲しいと思っています。




「勉強の季節」


さて、梅雨の季節も終わりに近づき、僕のコラムも最終回ということで清々しい話題をと1週間考えましたが、ここから先は日々の反省文となります。悪しからず……。


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コンピューター科学者のマーヴィン・ミンスキーがインタビューの中で、「科学の歴史を振り返ってみると人間の叡智というものは“個人知能”によってもたらされている」と述べています。裏返せば、集団の知能は間違え易い、時には新しい可能性を抑圧してしまうことがあるという、身につまされる話です。


僕はアムスタイルは優れた個の集団でなければならないという志を掲げてやってきたのですが、最近ではミンスキーが言う間違え易い集団になっているのではないか。僕がいくら声高に叫んだところで、忙しさにかまかけて、楽な道を選択する平凡なチームになっているような気がしているのです。


教育下手の社長らしく無責任に言えば、この状況を打開していくには、個々人が勉強するしかありません。ただし学業とは異なり、相手を思いやることも仕事だと認識することが大切です。


僕らが作っている、高級品に類するキッチンや家具は、人間の手数以上には製造することができません。それであれば職人たちが働きやすいように、図面や情報を整理する。締め切りは守る。さらに職人の仕事の限界点はデスクワーク中心の僕らよりも早いことを知り、優秀なサポート役となる。
こんな分かりきっていて簡単なことがなかなかできない。会社らしいルールを作ってみてもうまくいきません。


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アムスタイル福岡ラウンジ


そこで行き着いたところ。アムスタイルに「勉強の季節」がやって来たと思うことにしました。振り返ってみれば今までも逆張りこそ我が生きる道と突っ張ってきたのです。世間が忙しい今こそ、勉強を重ねて、もう一度強いアムスタイルを作り直す時期がきたようです。


仕事に役に立つことは「くせにする」。「くせになるまで繰り返す」。


アムスタイルの将来を楽観しつつ、予定よりも早く転換期が来たんだと考えることにしました。




「愛ママ弁当」


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とりとめのなさついでに、最後は子供のお弁当のお話。


遠足やら遠出の散歩での子供たちの楽しみはお弁当です。そして帰宅した子供の「全部食べたよー」という言葉がママには何よりのおみやげのようです。こうして写真で眺めてみると色彩感覚もなかなかなもの。こんなお弁当のシーンが子供の記憶に積もり積もって、将来は年老いた親を大切にする大人になって欲しいと願うのですが。まあ注いで愛情が帰ってくるなんて甘い話はないですよね。


このコラムを通して思ったことは、仕事も子供も愛情をいっぱい注いで育てようということです。でも月並みですが、見返りは求めないように心がけなければいけないと思います。


* * *


連載も、いよいよ最後になりました。


コラムへお誘いいただいたアーネストスクエア株式会社の村木社長、内心ヒヤヒヤだったのではないでしょうか。ありがとうございました。締め切りは守るものと言いながら守れない僕を温かく支えていただいた広報の木下様、大変ご面倒をおかけしました。


そして最後までお付き合いいただいた、読者のみなさま、心より御礼を申し上げます。




amstyle(アムスタイル)


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