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アーネストコラム「酒酒落落」医療通訳者 アビー・ニコラスさん 第一回「医療通訳という活動と「MICかながわ」」

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2013年7月15日

アーネストとご縁が繋がった方々がそれぞれの視点で自由にテーマを設定・執筆いただく連載コラム「洒洒落落」。第21回は医療通訳、という少し特殊な分野でご活躍中のアビー・ニコラス・フリューさんにご登場いただきます。


〜プロフィールご紹介〜


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Abbey Nicolas FREW (アビー・ニコラス・フリュー)


‘外国語が出来れば誰でも国際人’をいう考え方や表現に真っ向から逆らい、言葉の背後にある異文化の妥当的理解がむしろ大切だと信じる4か国で育った自称「地球人」。
横浜市在住期間が長くなってきたが、意識としての故郷はいつまでも米国カリフォルニア州ロスアンジェルス市。
元スポーツ選手からプロの舞踊家に転身後、事故で3年近い医療手術と治療の入院・療養生活を体験。その後20代半ばで教育関係に再転身と同時に再び外国生活を一時的に始めるが、日本語研究の傍ら語学教育、通訳、翻訳などを続ける内に横浜に定住(もはや神奈川県横浜市は第二の故郷)。
現在、MICかながわとAIDSネットワーク横浜でボランティア活動を続けながら、東京にある大学の非常勤講師を務める。又コミュニティー活動に積極的に参加する形で、より摩擦の少ない地域の国際化に貢献したいと考える。


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* * *


次々と迫る荒波を越える勇敢な心で様々な道を経て、現在は日本語の研究や教育に携わってきたニコラスさん。そんなニコラスさんが取り組むボランティア活動、「医療通訳」とはどのような仕事なのか。
今回より全3回でお届けします。


* * *




1、医療通訳という活動と「MICかながわ」


一般に病院と呼ばれるところには色々な科があります。しかし日本に住む外国人には、もちろん外国人専用科などいうものはないため、日本人がかかる医師や看護師に診てもらう事になります。


問診や治療や検査、薬の処方、さらには出産や手術などなど、当たり前のことですが医療に関する通訳分野の幅は日本人が日本語で病院にかかるのと同じ広さがあります。日本語が話せなければ医師に自分の症状を訴えることもできないし、医師や看護師、検査技師や薬局の人の説明も理解することができません。初めて病院にかかるとすれば、問診票の質問に答えたり、○や×を付けたり、既往歴や家族歴やアレルギーの有無などを記入する作業もありますね。また、カルテを持ってどこの何番窓口に行って順番を待てば良いのか、何の検査をするのかも、分からないことが多いのです。


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そういった外国人の方をサポートするひとつに、「医療通訳」があります。


通訳者は日本語ができない患者さんの言葉を日本語に通訳して医療機関側の職員に伝え、その逆も行ないます。通訳は病院の受付から始まり、薬局で患者が薬を受け取り、代金を支払うところまでが含まれます。


通訳者は病院の職員ではないので、給料や交通費は病院から支給されずボランティアです。余命などの告知や死の現場など、難しい通訳は精神的な負担も大きく、病院で知らないうちに何かに感染してしまう危険もあります。つまり、医療通訳に従事する者は、経済的・精神的・肉体的な健康が求められます。


そんな通訳者たちの管理・派遣を行なっている団体が、特定非営利活動法人「MICかながわ(正式名は「特定非営利活動法人多言語社会リソースかながわ」)」です。私も医療通訳者のひとりとして、ここに在籍しています。


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MICかながわは多言語共生者に向けて「『ことばの壁』をなくそう!」をモットーに、言語や文化の違いによる壁をなくすことで、誰もが安心して医療などの公共サービスを受けることができ、活き活きと暮らせる社会の実現を目指している団体です(一部ウェブサイトより抜粋)。


2002年4月の設立後、色々な認定や承認を受け、現在までに約40近くの医療機関と協定を持ち、通訳派遣事業を行っています。登録通訳者は約150から200名おり、10言語の班に分かれています。日本人も外国籍人もいます。日本人には移住経験のある人もいる一方、日本から出たことがない人も、さらには日本に帰化した元外国籍の人もいるなど様々です。皆それぞれ別の生計手段を持っていて、通訳は食べるための手段ではありません。


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ミーティング風景


事業内容としては、主に医療機関で日本語での問診や治療が受けられない人たちに通訳を提供します。MICかながわは医療機関以外にも通訳を派遣していますが、ここでは医療通訳のみに限ってご紹介したいと思います。(続く)


★「医療通訳」と「MICかながわ」について、英文でもご執筆いただきました。
こちらもぜひご覧下さい。(クリックで記事が読めます)
MIC Kanagawa and medical interpretation


MICかながわウェブサイト
公開講座なども開講中
http://mickanagawa.web.fc2.com/




リフォームから、施工までの
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