アーネストコラム酒酒落落 野村皮膚科医院・院長 野村有子先生 第二回「肌をキレイにする 1」

第二回 「肌をキレイにする 1」


肌がキレイな人...とてもいい印象です。


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肌がキレイとは、きめ細かく、きれいな肌色で(黄色人種の日本人の場合、白すぎる必要はありません)、もっちり、しっとり潤っている、赤ちゃんのような理想のお肌です。


日々、皮膚科医として肌のトラブルのある患者様を診療しているとき、すべての方への治療の最終目標が「キレイな肌」です。そして、「いい風を感じるキレイな肌になろう!」そのために、今回は -洗う- ことをテーマにお話をしたいと思います。


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実はこのブログを書いている今、夏休みでアメリカのテキサス州に来ています。
広大な牧場の中に、風車がところどころに見え、心地よい風が吹いています。もちろん暑いのですが、とてもさわやかです!


* * *


ここで、皆様に一つ質問をしましょう。


「お肌がキレイになるために、正しい洗い方はどれでしょう?一つ挙げてください」


(1) セッケンでしっかりと汚れを落とす


(2) セッケンをホイップクリームのようによく泡立てて、泡で洗う


(3) 洗った後にすすぎを何回も行って、セッケンが残らないようにする


(4) 軽く泡立てたセッケンでやさしく洗う




答えは、(4)
当院では、肌トラブルがなかなか治らない方に、スキンケア教室を行っています。今まで100名以上の方に受けていただきました。トラブルが治らない理由で最も多いものは、なんと「洗いすぎ!すすぎすぎ!こすりすぎ!」でした。


とても多い、まちがい洗い!
「とにかく汚れをきれいに落とさなくてはダメですよね」
「セッケンが残っていると悪いので、何十回もすすぎをしています」
「しっかり泡立てて洗顔をしています」


よく聞く言葉だと思いますが、実は、どれもまちがいなのです。きっと、えっ!と思われる方が多いと思います。


以下は、顔の肌トラブル(ニキビ、かゆみ、赤みなど)を持っている人の、洗顔方法をチェックした結果です。


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何と、8割近くの方が、強かったりこすりすぎたりしていました。また、すすぎ回数は、平均19.39回すすいでいることが判明しました。中には、60回もすすいでいる人がいました。


また、洗顔時の泡立ての仕方は、充分に泡立てている人の方が多くいましたが、不十分の人も結構いました。


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泡立て方法は、実は、泡立てすぎても少なすぎてもダメなのです。
では、いったいどうしたらいいのでしょうか?お肌をキレイにする洗い方を、伝授いたします。




【正しい洗い方】 かるくクリーミーに泡立てる


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まず、手を水で濡らした後に、セッケンをクリーミーに泡立てます。
ちょうど上の写真くらい、生クリームをかるーく泡立てた程度で、大丈夫です。


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次に、セッケンの泡で、手全体を包み込むようにやさしく3-4回撫でるように洗います。
この時に、ゴシゴシ強くこすっては絶対ダメです。


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セッケンの泡を、手にすくった水をさっとかけるようにして、泡を洗い流します。


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4,5回かけて、泡がなくなって時点で終了です。
泡は、キレイに落ちています。


蛍光塗料クリームを塗って、汚れが落ちたか確認しました。
きちんと汚れが落ちていることが確認できました。


それでは、たっぷり泡立ててみた場合は・・・




【間違った洗い方】 たっぷり泡立てる


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固い生クリームのようにたっぷり泡立てみましょう。
しっかり泡立てた方がいいと勘違いをして、スキンケア教室でもこのくらい泡立てている人がたくさんいます。


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先程と同じように、セッケンの泡で、手全体を包み込むようにやさしく3-4回撫でるように洗います。


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セッケンの泡を、手にすくった水をさっとかけるようにして、4-5回泡を洗い流します。


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たくさん泡立てた場合は、何と手のひらに泡が残ってしまいました。   


実は、すすいだつもりでいても、泡が周囲に散らばってしまい、泡が残ってしまいます。特にお顔の場合は、髪の生え際やあごから首に泡が残ってしまい、気づかないうちに肌トラブルの原因になります。また、泡を全部落とそうとすると、何度もすすぎが必要になり、肌がますます荒れてしまいます。


また、蛍光塗料クリームを塗って、汚れが落ちているか実験しました。たっぷり泡立てた時は、逆に汚れ落ちが悪く蛍光塗料が残ってしまいました。
(実験データは、第111回日本皮膚科学会にて発表したものを抜粋)


洗う時のポイントは、「さっとクリーミーに泡立てて、さっとやさしく洗って、さっとやさしくすすぐ」ことです。




【お顔を洗うときは・・・】


(1) 手を濡らした後に、手のひら全体でセッケンをクリーミーに泡立てます。


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(2) 手のひらをゆっくり動かすようにして、顔全体に泡をなじませます。ゆっくり数えて、5-6秒で十分です。


(3) 手についた泡を流水で洗い流した後、両手のひらに水をくみます。


(4) 両手の水を、顔全体にやさしくかけます。


(5) (3)(4)をくり返して、泡がなくなったら終了です。




【体を洗うときは・・・】


(1) 手を濡らした後に、手のひら全体でセッケンをクリーミーに泡立てます。


(2) 手のひらをゆっくり動かすようにして、体全体に泡をなじませます。タオルを使用するときは、ガーゼのような柔らかいタオルを使用してください。


(3) すすぐときは、かけ湯がお勧めです。手桶にお湯をくんでやさしく体に数回かけて流せばOK。シャワーの場合は、シャワーヘッドを動かしながら体全体を流し、泡が消えた時点で終了にします。同じ場所に強くあてすぎないようにすることが、肌荒れ予防のコツ。1か所3秒を目安としてください。


泡立てすぎて、時間をかけて洗って、何度もすすぐことで、どれほどお肌を痛めつけていることか・・・やりすぎは、まさに時間と資源の無駄遣いになってしまいます。そして、肌荒れのもとになってしまいます。
ふんわりしたキレイな肌をキープするために、ぜひぜひ正しい洗い方を試してみてください。セッケンはお持ちのもので結構です。洗い方を変えるだけで、きっと、人生が変わるくらい肌が変わってきますので。


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この青空のように、さわやかな風を感じられるお肌になりますように・・・(続く)


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