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ニシザキ工芸株式会社 西崎克治社長 vol.4 塗りを極める

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2010年5月24日

4-1.JPG
画像/作業中の藤戸伸治さん。漆を塗る前に表面を
平滑に研ぎ上げます。漆を塗り上げるには数十回も
の工程があります。

          
vol.3に続き、藤戸伸治さんの仕事場を見ていき
ましょう。神輿づくりには、木工や漆工、彫刻、
錺(かざり)金物、金箔、鋳造、金メッキなど様々
な技術を持った職人達が不可欠です。その中で
藤戸さんの専門は漆を塗る「塗師」という仕事で
す。ご先祖は徳川家康と共に江戸に移り、天皇
家をはじめ徳川家、細川家、津軽家などの御用
達をつとめてきたそうです。
          
御神輿はとても細かな木製パーツを下から組み
上げる形で作られています。囲垣(いがき)や屋
根を支える桝組(ますぐみ)、垂木(たるき)などは
特に細かな部品が多く、これを丁寧にひとつひと
つ分解・掃除して、痛んでいる所を補修してから
下地を調整し、漆を塗っていきます。
             
「お神輿を補修することは、昔の職人と会話すること」
と藤戸さん。職人の技量はもちろん、急ぎの仕事を
した痕跡や、作った季節なども分かるそうです。浅子
神輿店で修業しながら、御神輿の構造を全て把握し
た藤戸さんは、分解や組み立ても全て自分で行いま
す。建築的な要素と家具的な要素の両面を合わせ
持った御神輿は、江戸時代に成熟した職人技術の
結晶といえるでしょう。
             
4-2.JPG
画像/屋根を支える桝組の部材です。龍の彫刻など
細かな部材を分解し、一点ごとに補修していく根気の
いる仕事です。

             
一方、我々ニシザキ工芸が得意とするのも、建築・
家具に関わる様々な木材の「塗り」です。ひとこと
で塗りといっても、建築の外壁や橋、自動車から、
小さなものではお椀や携帯電話まですべてが塗装
されています。塗装には大きく2つ「保護」と「お化粧」
という機能があります。御神輿に例えれば、水や傷、
汚れから守る保護としての塗りと、荘厳さを演出する
ためのお化粧としての塗りです。
              
この目的は、木製建材や家具塗装にも当てはまりま
す。木材を割れや乾燥、汚れから守ると同時に室内
空間にあった雰囲気や色に塗り上げます。自動車な
どの工業製品と大きく違う点は、天然の木の表情を
活かしながら、色をつけていくことです。人の顔と一
緒で、同じ種類の木でも産地によっても色、表情が
全く違います。これをどうコントロールしてインテリア
と調和させるか。そこが塗装の奥深い点で、我々の
最も得意とするところでもあります。
              
4-3.jpg
画像/ニシザキ工芸の塗装工場。同じ種類であっても
木の表情は様々です。塗装によって質感や色を揃えて
いくのが職人の腕の見せ所です。

              
最近は「保護」と「お化粧」に加え、第三の機能も要求
されています。触れたときに、木の味を感じられる「触
感」を大切にした塗装です。今までの機能では割り切
れない「感性価値」とでもいうのでしょうか? もちろん
木材をそのままにして塗らなければ、素材感は残りま
す。ただしワレてきたり汚れが染み付いてしまいます。
しっかり塗って、しかも木肌感を残した仕上がりであ
る「ナチュラルフラット」という塗装手法。これが最近
好評で出番も多くなってきています。
               
4-4.JPG
画像/「ナチュラルフラット」仕上げは、木の温もりを活かし
ながら表面を保護できる、画期的な塗装方法です。

                
しっかりとした材料選び、間違いのない仕事振りは
当然のこと。それに加え、数字では置き換えらない
感性価値を理解し、具現化できるような職人集団と
して、これからも住宅作りのお手伝いをしていきたい
と考えております。


ニシザキ工芸
http://www.nishizaki.co.jp/


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