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アーネストコラム酒酒落落 ポーゲンポールジャパン株式会社 代表・川島東治さん Vol.4 ローカルをグローバルに

  • アーネストコラム「酒酒落落」
  • 2012年7月23日

ローカルをグローバルに


 前回は顧客に120%以上の満足度を与えるために必要な商品の付加価値として、「キッチンではなくポーゲンポールの価値」をお話しましたが、この最終回では商品を販売する我々当事者の付加価値についてお伝えし、また私の実現したい夢についてお話したいと思います。


 私がよく使うフレーズのひとつに、『知らないはどこまで行ってもゼロだが、知るは無限大』というものがあります。人の通常の行動範囲は結局のところその本人が知っている世界の範囲内にとどまります。今住んでいる家をリフォームしたいと考えたとき、現在使っている家の中で不満や不足感を抱いているところを思い出し、例えばキッチンは家を買ったときに既に設置されていたA社製だが今度はB社のものにしたいとか、造作(ぞうさく)で自分たちだけのためのキッチンをオーダーしようとか考えますが、その選択肢に現れてくるのもその本人が知りうる範囲に限られます。ポーゲンポールの存在を知らない方は弊社のショールームにいらっしゃることはありません。それのみならず、世界最高峰と認められたセミオーダー型のキッチンがどのようなものであるかということも知りえず、よってそれと比較した場合の他社製キッチンとの差異も知りえないということになります。これは弊社にとってはもちろんですが、ご本人にとっても残念なことではないでしょうか。


 また、ポーゲンポールの存在はご存知でショールームにいらっしゃった方でも、造作とセミオーダーの違い、セミオーダーだからこそご自分の希望に近づけつつも堅牢性が確保されたキッチンになりうること、扉材や採用するビルトイン家電などにより価格も大きく変わってくることなどをご存知ない方が多くいらっしゃいます。


 さて、私たちがこのような説明を行い、ご存知なかった点を数々述べたとしても、これはセミオーダーキッチンまたはポーゲンポールという商品説明の枠を超えるものではありません。多少の感動やサプライズはこの枠内で顧客に与えることができるかもしれませんが、それは単に知らなかったことを教えてあげただけで、他社が行うサービスと何ら変わりません。


 お客様が本当に感じる満足は予想外の情報を得られたとき、またそれにより新たな展望が開けたときです。お客様のそのような傾向を感じ取り、ヒントを与え、解決策の例などを具体的に示すことができれば、お客様の満足度や感動は非常に大きなものになります。別の言い方をすれば、「まさかキッチン屋に来てここまでのアイディアをもらえるとは思わなかった」と言わしめれば、それは120%をはるかに超える満足度を与えているものと言っていいでしょう。


 事実、その下地はあるのです。弊社にいらっしゃるお客様は間違いなくリフォームか新築の予定のある方です。キッチンを中心にという考えが増えているため、最近では家作りの早い段階で弊社を訪れる方々も増えてきました。いつからか、キッチンの扉材に合わせた床材、壁面素材、家具、照明、キッチンツールなどのアイディアを求められることが多くなってきました。しかしこのキッチン以外のところまで我々が力を注ぐことはできませんし、そもそもドイツ本社の直営店としての本分を全うしなければなりません。お客様の満足度を高めるためといって本業以外の分野に注力するのは本末転倒ですから、そこには工夫が必要になってきます。


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 Living Wellness in Luxury(リビング ウェルネス イン ラグジュアリー)。このタイトルを冠した展示イベントが、2010年10月から弊社ポーゲンポールジャパンのショールームにおいてスタートしました。これは、今後の日本人に求められるライフスタイルが、家の外の非日常にお金をかけるのではなく、家の中の健康的な日常を豊かにする傾向となることを見越した、世界的にも歴史やブランド力のある企業によるコラボレーション企画です。第1回はイタリアのフィットネスマシン・メーカーであるテクノジム、デンマークのAV機器メーカー、バング&オルフセンと弊社の3社共同で行われました。その後このLiving Wellness in Luxury(略してLWL)は協賛会社を増やしつつ恒例化され、先日第6回を終了したところですが、ここではどんな協賛ブランドが集まったか、是非こちらのURLからLWLホームページをご覧ください。 http://lwl-japan.com/


 このLWL企画は非常に多くのインプリケーション(含意)に富んでいます。弊社を含めて、協賛ブランドには自国では勿論、グローバルで見てもトップブランドであるのに日本ではあまり知られていない企業があります。イベントでは参加者であるエンドユーザーや建築家の方々にこれらをワン・ストップで商品に触れ、体験してもらうことができます。各ブランド商品の展示期間は1ヶ月ですが、そのオープニングパーティが大変に好評です。各社によるプレゼンテーション、著名なイタリアンレストランからのケータリングとそのオーナーシェフが弊社のキッチンで料理パフォーマンスを見せ、参加者を魅了します。各協賛社からの景品が当たるラッキードローもあり、非常に印象に残る、満足度の高いパーティになっています。


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第3回目のLWLではアーネストアソシエイツ様の協賛をいただき、模型とパネルの実例紹介が好評だった。


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第5回から、展示期間中に「建築家による建築家のためのワークショップ」を開催することとなったが、第6回は2名の若手建築家がLWLコンセプトの別荘模型を制作、披露した。


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これまでの協賛ブランドの中から選りすぐり、共同でLWLブックレットを制作。軽井沢の4000を越す別荘に送付されるだけでなく、今後様々な活用が期待される。


 弊社は私以外に2名の女性セールス・デザイナーがおります。私が心強く思い彼女らに感謝していることは、私の「120%以上の顧客満足」を理解してくれ、このような企画で知りえた協賛ブランドの商品や企業コンセプトなどを求められるお客様に丁寧に紹介してくれることです。ともすれば負担と感じるときもあるかもしれませんが、それを行うことがお客様と、そして自らにも付加価値を与えてくれることと感じてくれているのでしょう。また、協賛各社とのコミュニケーションにより自然と知識や人脈も広がり、通常のキッチンメーカーにはないマーケティング手法に魅力を感じてくれているかも知れません。


* * *


 さて最後に、私の実現したい「夢」の話で今回の連載を完結したいと思います。
 私の座右の銘は、 “Think globally, act locally, and it’s the other way around.” 「グローバルに考え、ローカルに実践する、逆もまた真なり」です。LWL企画のような継続的な試みは弊社の本社は勿論、どの国の直営店やディーラー店でも行われておりません。キッチンを機軸としたいわばワンストップ・ソリューションにて上質な顧客を開拓し、高いブランド力を持つ協賛会社との協力関係を築き上げるマーケティング手法が実績をもって本社に成功例として認められ、それを踏襲させる。。。商品開発として真のイノベーションを実践してきたポーゲンポールが、マーケティングとしてのイノベーションは日本というローカル発のアイディアだった。。。これが実現しグローバルに広がるとすれば、こんなやりがいのある仕事はありません。


 これで私のビジネスマンとしてのキャリアは完結、とはまだまだ言いません。充実した経験ができればなおさら、「次」に生かしたいと思ってしまうのです。


(了)


ポーゲンポール キッチンデザインセンター東京
http://www.tokyo.poggenpohl.com


「酒酒落落」川島さまの過去の記事はこちらから
http://earnest-blog.jp/past/2010/06/vol1_3.html




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