アーネストコラム「洒洒落落」も、早いもので第11弾となりました。
新連載は、ハースト婦人画報社 モダンリビング編集長の
下田結花さんのご登場です。
今回のテーマは、「イギリスで出合った、印象的なホテル」。
人気雑誌の編集長ならではの視点で切りとられた個性溢れるホテルの魅力を、全4回に渡りお届けいたします。
【Vol. 1 コワースパーク
http://www.coworthpark.com/ 】
ほぼ毎年、6月にはイギリスに取材に行っています。
6月は庭が最も美しい季節。8月7日発売の「モダンリビング」では、庭の特集を組むので、観光のハイシーズンでなかなか取材が難しいことも多いのですが、敢えて6月にしています。
今回は、昨年、取材したホテルの中から、印象的だったイギリスのホテルを4回にわたってお届けしましょう。
イギリスのホテルは、それぞれが個性的なだけでなく、一軒の中でも、インテリアが1室ずつ違うことも多く、そういう意味でもとても奥深く、楽しめます。
まずは、昨年、オープンしたばかりの「コワースパーク」からご紹介しましょう。
ロンドン郊外、ヒースロー空港から車で15分、というロケーションにあるこのホテルのコンセプトは、「エコ・ラグジュアリー」。
世界中に5ツ星ホテルを展開する、「ドーチェスター・グループ」が経営しています。 広大な敷地の半分は、ポロの競技場。当然、大きな厩舎もあり、馬を連れた宿泊客にも対応できるようになっています。
宿泊施設は敷地に点在。メインの建物以外に、かつての厩舎をリノベーションした一棟や、納屋を改装したコテージやレストランなどもあり、変化に富んでいます。どの建物も、本来の素朴さを生かしつつ、シンプルな中に高級感のあるインテリアに設えられています。
スタッフとして地元の人たちを積極的に雇用しており、温かなサービスも魅力。ここも、5ツ星ホテルです。
スパは大きなプールを含む独立した建物。室内には高級家具やアートをたっぷりと配しています。このスパには、太陽光や地熱など自然エネルギーを利用した設備が設けられていて、ホテルで使うエネルギーの多くをまかなっているそうです。
レストランはオーガニックフードを中心にした、ヘルシーなフレンチ。一品一品に、最もふさわしいお酒をコーディネイトした「テイスティング・コース」というのがあり、これが楽しみで訪れる人も多いとか。
イギリスでは、近年、オーガニックフードやエコロジーに対する関心がますます高くなっています。エコロジーとラグジュアリーを共存させているこのホテルは、まさのその象徴とも言えるでしょう。
自然豊かなロケーションと、質を大切にしたシンプルで上質な空間や食べ物。 「ラグジュアリー」の意味も変化してきていることを感じさせられるホテルです。
「コワースパーク」のメインの建物の全景。
古い建物をリノベーションしています。
朝、敷地を散歩していると目に入るのはこんな景色。
敷地の中の牧場。
メインの建物のラウンジ。インテリアはモダンで
優しい色使い。
客室のベッドは、枝を模したアイアン。
エコがモダンにデザインされています。
バスルームは置き型バス。
向かい側にシャワーブースがあります。
元は厩舎だったところをリノベーションした、
ステイプルと呼ばれる客室。独立した建物です。
敷地の中には、小さな池も・・・・。
この環境すべてを楽しめることが、何よりの贅沢です。